バンチャエウ

お母さんに、今日は友達の家に四人で泊まりにいくから夜はいないと言ったら、今日はバンチャエウを作るのに、と残念そうに言われた。

たくさん作るのに食べないの?と。今日は土地の神様【ネアックター】にお供えをする日で各々の家でバンチャエウを作る日なんだそうだ
孫にも食べさせたいだろうな。
私も食べたいし、お母さんの作るとこもみたいし、残念と私が言ったら、お母さん、材料をお母さんの家からもってきてくれた。

この家で作ってくれるというのだ。

米をひいて、ウコンをいれて、水で米粉の生地をつくる。


具は普通はもやしだけど、今日はパパイヤを細くむいたものと、豚挽き肉をいためたもの。

バンチャエウとはこの米粉の生地に、具をまいて、ハーブやレタス、きゅうりとともに、やし砂糖で味をつけた甘いナンプラー味のたれ(ピーナッツ入)にドボンとつけながら食べるもの。

延々と何枚も米粉の生地を焼くのが大変だ!



お母さんの鉄鍋は年季がはいっていて、油がしみている。
私も自分のフライパンでやってみたけど、生地がくっついちゃってだめ。

やっぱりこの鍋じゃなきゃあね、とお母さん。

うすく片面だけ焼いて、具をのせて、蓋して少し蒸らしたら、さっと半分におり、器用にバナナの葉にのせて、次々とざるに並べていく。



きれいな色でおいしそう!

すると、となりに住むお母さんのお姉さん(こーさんのおばさん)がやってきて、お母さんが作る横から、色々言っていたかと思うと、いったん帰って、おばさんも自作のバンチャエウを持ってきた!

私の生地は水でなくてココナッツミルクで溶いてるからもっと美味しいわよ!食べてみて!と私に言う。

なんだかお母さんの手前、困ってしまったが、こんなことはきっと村のおばさんの間では、むしろ姉妹間ではたいしたことでないのね。お母さんへっちゃら顔。

結局、バンチャエウをお土産にいただいて、お友だちのうちでいただきました。とってもおいしかった。